音羽山の清流と音和そば─自然と食に癒されて

音羽山の清流に身をゆだねて
このWebマガジンを立ち上げる準備をしていた頃、撮影のために音羽山へ向かいました。
山のふもとに広がる音羽川の流れに身を置いたとき、自然の中でしか感じられない大きな呼吸を思い出しました。


川の水は驚くほど冷たく、澄んだ音を立てて滝から流れ落ちています。
その音に耳を澄ませると、日々の思考が少しずつ静まり、自然のリズムと同調していく感覚がありました。
水のしぶきが肌に触れ、木々の匂いが風にのって届き、石に手を置くとひんやりとした感触が伝わってくる──五感のすべてが自然のエネルギーに浸されるようでした。
深呼吸を繰り返すうちに、身体の奥に新しい空気と力が入り込んでいくのを感じ、私は心身が静かに整っていくのを実感しました。
音羽山や音羽川は、古くから修験者たちの修行の場でもありました。
水の音は浄化の象徴とされ、川の冷たさは心を澄ませるための試練でもあったといいます。
現代の私たちにとっても、こうした場所は「自然のパワースポット」として、失われがちな感覚を取り戻すきっかけになるのでしょう。


蕎麦の香りに心をゆるめて
撮影のあと、足を延ばして「霞中庵 音和そば」を訪れました。
庭園の緑に囲まれた静かな建物の中で、あたたかい蕎麦をいただいた瞬間、先ほどの川の冷たさとの対比で、心も体も一層ほどけていくようでした。
十割蕎麦ならではの香りと、澄んだ出汁の優しさ。器や盛り付けにまで丁寧さが行き届き、まさに「食べること」そのものが癒しの時間となりました。
蕎麦をすすりながら窓の外を眺めると、庭園を渡る風が木々を揺らし、自然と食とが一体となって自分を包み込んでいるように感じました。

自然と食がつなぐ癒しのひととき
この体験を通して、私は「自然の中に身を置くこと」と「食をいただくこと」が、とても深くつながっていることを改めて思いました。
川の音や木々の匂い、蕎麦の香りや温かさ──それらがひとつになって、心身を満たす力になっていきます。
日常の中で立ち止まり、自然に触れ、そして食を味わう。
そんなささやかな時間が、人のエネルギーを回復させ、波動を強くしていくのだと思います。
サクラガカオルでお迎えするひとときも、同じように心と身体を整える時間であればと願っています。